isseium's blog

田舎に住むWebエンジニアのブログ

「MAKERS」を読んだ

クリス・アンダーソンのMAKERSを読みました.

2013/8/1 に購入して,やっと読みました. 昨年の後半は,論文やオープンデータ関連の本はそこそこ読みましたが,そちらに時間が割かれて(それはそれでよかったけれど),あまり積ん読がすすまなかったので今年はもう少し読みたいですね.

東京にいたころは,電車通勤を生かして月3,4冊くらいは読めてた気がするので,それくらいは読みたいですね.車運転しながら本を読めるといいのですが...

情報収集の基本である何かを読む時間が首都圏に比べて相対的に少ないのは,地方(車社会)の問題のひとつかなーと.

概要

本書では,各家庭にプリンタが普及したように,これからは各家庭に3Dプリンタが普及し,モノを各家庭で作る時代になると書いてる.

これまでのもの作りは,アイディアを思いついてもすぐに作れない場合が多かったが,3Dプリンタによって,手軽にアイディアを具現化することができるようになり,ニッチな商品を適切な規模で作ることができるようになり,さらには,ある領域の愛好者同士でコミュニティを作り,図面を改良し合うということができるようになる.モノのパーソナライズ化がもっと進む.

本書の内容

本書は,「革命」と「未来」の二部構成になっている.

第一部「革命」では,著者の祖母がスプリンクラーを発明した話,情報産業が大きく成長していても製造業(ハードのものづくり)が国家や人々の基本であること,産業革命の影響など,主に過去に起きたものづくりまつわる出来事を述べている.部の終わりでは,パソコンとプリンタがセットになって,誰でも出版印刷(パブリッシング)ができたように,パソコンと3Dプリンタがセットになって,誰でも高度なものづくりができる時代が来ていることを述べてる.

第二部「未来」では,3Dプリンタにまつわるここ数年の話から,近い将来どのような変革が起きるかをまとめている.内容としては,3Dプリンタの概要,オープンソースの3Dプリンタ,オープンな組織によるものづくり,新たなものづくりの資金調達の仕組み(クラウドファンディング),ものづくりのクラウド化などを取り扱っている.

感想

3Dプリンタが欲しくなりました.

3Dプリンタはまだまだ精度が悪いですが,いまの紙のプリンタ並に精度がよくなり,価格も下がったらと思うと革命的だと思いました. 身の回りを見渡してもいろんなものがハンドメイドできるなと思いました. ex) ハンガー,リモコンのふた,コップ,鉢,霧吹き,ペンのキャップ,ボタン・・・

これから必要なパソコン能力は,Word・Excel・3Dオーサリングソフト になるのかもしれませんね. 3Dプリンタ関連のソフトウェアだと,オートデスクがどうも強そうなので,まずはいじってみたいと思います.

クラウドファンディングを利用した話は,あまりピンと来ませんでした.述べていることは受け入れられるのですが,成功したプロジェクトはそのためのマーケティング・営業戦略やPOP作成など多大なコストはかかっているんじゃないかなと感じました.もっと簡略化してTwitterのつぶやきくらいでお金が集まる仕組みがあればなーと思ったり.

話の途中にでてきた,「ギークダッド」の話は感銘を受けた. 著者が子育ての時に,子供と一緒に楽しめる技術系プロジェクトを探したのを発端として,最終的には事業にしたという話である. 私にはまだ子供がいないけれど,(現実はともかく)統計的にはそう遠くない将来子供ができるので,そういうことをやりたいなーと思った.「趣味を仕事にするな」という意見もあるけれど,私はやるならひとつに集中したいタイプなので,子育てを仕事にするという選択肢をこの本は与えてくれた気がする.

3Dプリンタの原理を応用することで,建築物レベルの3Dプリンタや,原子レベルの3Dプリンタが作れるというのもびっくりでした.特に原子レベルの3Dプリンタは,食料のプリンタを作れると思うので,一家に一台直物工場とういのも遠い話ではないんだなと感じました.

工業だけでなく,建築・土木,農業,食品などあらゆるモノを扱う分野において変革が待っている気がします.