isseium's blog

田舎に住むWebエンジニアのブログ

岩手に戻って2年半が経ってたので近況をまとめた

節目節目で振り返ろうとおもってはいたものの、前回の振り返り から気づけば岩手に戻って2年半が経ってました。 このブログも気づけば1年ぶりの更新です。

ちょうどまとめる時間があったので備忘録的にまとめたいと思います。

長いので一言でいうと、いろいろありましたが元気にやってます!

この2年半なにやってたのか

博士前期課程(修士)の学生をやっていました

2013年4月 岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科に社会人入学しました。

情報システム構築学講座に所属して、地域の魅力発見・発信に関わる研究をしてました。分野的には、地域情報学とか観光情報学なんて呼ばれるあたりかと思っています。大学院は2015年3月に修了しました。この2年間で大きく分けると2つの研究をしました。

1つ目は、修士論文となった研究で、概要は、旅行者が利用しているチェックイン系サービスへのチェックイン履歴から次のチェックイン先を推薦するということをやってみた、という感じです。推薦アルゴリズム協調フィルタリング。約150人のチェックイン情報から4万スポットのデータから提案した推薦システムとランダムな推薦のF値を交差検証で比較しました。正直、結果はよくなかったw

2つ目は、研究室が受託した研究のサポートで、特定の地域に関するオンライン広告を配信した結果から、その地域に興味を持ちそうな属性を推定するというもの。 修士論文は「どこへ行こう」という顧客の課題をターゲットにしたことに対して、こちらは「だれが潜在顧客?」という観光地側の課題をターゲットにしました。

あと修士だと研究のほかに講義があって、それが意外と結構おもしろかった。一度社会に出て知識と経験が少しついたことが影響しているのかもしれません。 研究室の先輩がいっていた「『おもしろい』とは自分の知識を少しはみ出た知識を知ったときである」ということなのかもしれないです!

どんな講義がおもしろかったかは、ソフトウェア情報学研究科に社会人入学した大学院生が独断と偏見で選ぶおもしろかった講義ベスト3 に書いてるのでぜひ。

株式会社CCL でオープンデータの調査をやってました

大学に通いつつ、縁あって2013年7月に株式会社CCL(盛岡市)に契約社員としてプランナーとして入社しました。

オープンデータって、限定的に見れば「セマンティックWeb」や「Web 2.0」と近い概念だったりするわけですが、「協働」という社会意義があって、データをオープンにして社会の課題をみんなで解決していこう!みたいなムーブメントと私は捉えています。自分たちの課題をまずは自分たちで解決しようとするというスタンスは共感しています。

もちろんオープンデータ自体にも課題もあって、一番はビジネスとして盛り上がってないこと、だと思います。結局、ビジネスとして成り立たなければ、民間企業の参入はなかなか見込めないし、個人での参画であっても持続性の壁がでてくるんですよね。

この仕事は行政をはじめ地域の人と関わる機会が多く、普段付き合う人たちとは違う視点を見ることができてよかったです。契約満了とともに退職しました。

株式会社チイキットで 共同創業者兼CTO をやってました

チイキットのことを話すとそれだけで10個くらいエントリかけそうだけどなるべく短めに。チイキットはいまのところ大きく分けると3つのステップを歩んでます。(現在進行形)

1. 趣味チーム(2012〜2014春)

チイキットはまだ僕が東京にいた頃に「地域をテーマになにかをつくりたい」というエンジニアが集まって趣味チームを作ったのがはじまり。毎週1回夜にハングアウトして情報交換したり、開発コンテストとかに応募してました。僕が岩手に来てからもチームは続いていました。

そんななか、ひとつの転機がありました。2014年1月にクラウドソーシングで受注・納品したことです。このときチームを組んだ3人が後の法人設立メンバーになります。 観光系のアプリで、納品先とのやりとりは完全リモート、チイキット内の3人もほぼリモート、というはじめてづくしでしたが、プロジェクトとしては人生で一番というほどスムーズな開発で、ある意味自信がつきました。

2. 法人化(2014年夏〜)

2014年8月にチイキットを法人化しました。自分は技術と開発体制で貢献したいと思っていたのでCTOの役割を。(といってもCTOなんてのはお飾りで、当然、税務、労務含めなんでもやるわけですが)

チイキットのコア事業クラウドソーシング事業で、クラウドソーシングの特徴である

  1. リモートワーク(地方にいても仕事ができる)
  2. 小規模(小さいチームでもできる)
  3. 案件ベースの付き合い(特定の取引先に依存しにくい)

というあたりに着目して、身近にいた開発が好きな学生さんやつながりのあるエンジニアさんとパートナーシップを組んでクラウドソーシングにおける受託という立場のNo.1を目指すことにしました。

パートナーのみなさんのお陰もあって、開発ラインは3つくらいになり、2015年初頭には某クラウドソーシング運営会社の月間契約金額全国1位を獲得できたり表彰もされました。

こういった実績の積み重ねもあり、オフィスを持てるようになったり、テレビ、新聞などにも取り上げていただきました。

もちろんすべてがいいことづくしではないです。いわゆる「炎上」というのも経験しました。クライアント様をはじめご迷惑をおかけしましたorz

いくつかの対処の仕方を経験したけれど、個人的に納得がいったのは「誠意を持つ」ということでした。当たり前のことなのですが。 嘘は当然よくないし、責任のなすりつけあいでクライアントと敵対関係をつくってもなにも解決できないと思いました。

3. 事業分割(2015年夏〜)

1年間で強みとなったクラウドソーシング事業にさらにフォーカスして事業展開のスピードアップを図るため、チイキットの事業を分割することにしました。直近の主軸ではなかった観光と農業あたりはチイキットから切り離すことにしました。

さらに私はチイキットを退任して、切り離した事業を運営することになりました。この体制変更については、経営陣で様々な選択肢を検討しましたが、趣味チームのチイキットができたときからのビジョンである「Make Local Happiness」の実現のためにもっともスピードがでる形としました。

というとポジティブですが、共同創業した社を去るのは気持ちのよいものではないし、ベンチャーがすぐ分割するというのはネガティブなところももちろんあります。 ほとんどの方にご挨拶もせず去っておりまして、驚かせてしまったり、ご迷惑をおかけした方もおりすみません。が、私たちが目指す「Make Local Happiness」に向けた体制として温かく見守っていただければと思います。

今後の話

さて、今後も引き続き地域情報、特に観光・農業分野を扱った地域×ITの世界に関わり続けていきます。

まずノーマディック社の運営する旅のメディア・コミュニティサイトのトリップノート の開発をしていきます。 大学の研究がきっかけでこのサービスと出会いまして、チイキットのときも取引先として開発にスポット的に関わっていましたが、今回の体制変更を機にコアメンバーとして参画します。

https://tripnote.jp/singapore

現時点ではシンガポールを訪れる日本人観光者向けに2000件を越えるスポットと記事の情報を提供しています。 シンガポールに行く予定があればぜひ利用してみてください!今後、世界中のエリアを追加していく予定です。

最近だと、現地での利用に便利なiOS版も最近リリース しました。

また、行ったことのあるところを塗りつぶしたり、旅行毎のアルバムもつくれます。ぜひ過去の旅をまとめるサービスとしても使っていただければと!

https://tripnote.jp/traveler/isseium

21世紀最大の産業になるともいわれる観光で、旅するキッカケと旅のコンシェルジュとなるサービスを提供していきます。

一方、つい先日、2009年に共同創業したソフトウェア共創研究基盤株式会社を引き継ぎました。

こちらでは大学と連携しつつ30年先の地域課題解決を見据えたソフトウェアテクノロジーの研究と実践を進めていきたいと思います。いまは趣味的にやっている農業もこの会社の事業として活動していく予定です。

さいごに

「どこに住んでるの?」とよく聞かれるのですが盛岡にいます。東京まで2時間半なので近いもんですね。もう少し新幹線が安くなるとよりハッピーなんですが。

基本的にはリモートワークなので場所に制約はないのですが、盛岡の街が好きなのでしばらくはいると思います。

というわけで元気にやっています!